書字・描画分析プログラム

Microsoft Surface(Pro)はペンタブレットとしても使えるから,書字や描画時の運筆分析に使えそうだというので,鏡映描写と組み合わせて,学生たちと放課後デイの子どもたちの認知機能(抑制機能)の評価/訓練の研究をしていました(下は学生がやっているところです)。

コロナのために思うように現場研究ができなくなってしまったのですが,プログラムのコーナーに,そのときのプログラムを掲載しましたので,興味のある方がいらっしゃいましたら,ダウンロードしてお使いください(プログラムの実行にはSurface ProやSurface Bookなどのペンタブレット型のWindows PCが必要です)。

発達障がいをもつ子どもたちにやってもらうと…やはりかなり難しい(鏡映条件)。小学5年生でも下のような感じでした。「あ」の文字をなぞるのにかかった時間は2分半。

でも,おもしろいのは,月に1回しか体験しないのに,繰り返すとみるみる上手にできるようになること。下は4回目の結果です(23秒でなぞりました)。子どもの成長ってすごい! 障がいによって苦手なところをもつ子どもたちでも,それはまったく変わりません。

筆圧感知型のペンなので,筆圧の分析も可能です。1回目と4回目を比べると,筆圧の変化もこれだけ違う(4回目にはちゃんと3筆のストロークができています)。

1回目

4回目

書字動作に関して,筆圧が強すぎる/弱すぎるという話を発達支援の現場ではよく聞きますので,このようなプログラムがそのような子どもたちの評価や訓練に使えるかもしれません。

下は一般的な学生が通常の状態で「あ」の文字を書いたときの筆圧変化です(11.7秒)。赤い矢印のところのように,一画目の横棒の「止め」で筆圧が上がっているのも見て取ることができます。

私の研究室では,このようにいろいろなツールを活用して,どんな使い方ができるかを考え中です(時間くれ~ > 大学)。