3/1(土),本学で2回目となるボッチャ大会を開催しました。
このボッチャ大会は,広島発障がい者/難病患者支援ネットワーク「miyasuku」(本部:株式会社ユニコーン)が主催するイベントで,子どもからお年寄りまでの多世代はもちろん,重症医療ケアの対象となる難病患者や障害児者も,全国の病院,施設,学校,自宅から参加できるインクルーシブ・スポーツ大会です。それを可能にしているのが,下の写真にあるeBocciaシステム。これを使うと,視線を使ってボッチャランプ(投球台)を操作して,遠隔地から投球できるんです。
吉田ゼミもmiyasukuメンバーとして,この大会の運営にかかわりました。また,せっかくやるなら選手としても参加しようと,2チームを作って参加!
しかし,1~2日練習したくらいのド素人の学生チームが,歴戦のボッチャ同好会のみなさんにかなうわけもありません。チームのひとつ(私が参加した比治山大学Bチーム)は1勝もできずに敗退したのですが(私が原因か? ^^;),比治山大学Aチームは,毎試合,だれかが神ショットを放つという奇跡を積み重ね,なんと前回の優勝チームであり,昨年の県ボッチャ協会の公式戦でも上位にランクされたお年寄りチームも撃破して,手投げの部で優勝してしまいました!(うちのゼミ生たち,やはり何かもってる…)
うれしいことに,今回の大会には直接参加してくれる難病患者さんもいらっしゃいました。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のSさんはお子さん,お孫さんと一緒の家族チームで参加。
実はSさん,2016年に国際心理学会での発表のためにビデオ取材をさせたいただいた方なんです。Sさんは,私もかかわった視線を使ってPCの操作やコミュニケーションができるソフトウェア,miyasuku EyeConSWの開発当初からのモニタユーザーです。プログラムの機能を使いこなしていらっしゃる。当時のビデオは,ちょうどお孫さんが生まれたころのもので,今も大切に授業で使わせてもらっています。そんな私のアツイ?授業を通して何かしら共感して吉田ゼミを選んだ学生たちが,かわらずお元気なSさん,大きく育ったお孫さんをはじめご家族の皆様と同じ場にいることに,嬉しくまた懐かしく感動いたしました。おいでいただきありがとうございました。お会いできて本当にうれしかったです!
下の写真は,遠路はるばる愛知県からご参加のSMA(脊髄性筋萎縮症)患者Uちゃんご家族。Uちゃんご自身も,もちろん選手としての参加です。翌日にはUちゃんの映画上映会&交流会も行い,とても楽しく愉快で温かなご家族・仲間の皆さまとの素晴らしい出会いをいただきました。おいでいただき心から感謝申し上げます。ぜひまた広島にいらしてくださいね。
重症医療ケアの領域は一見心理学とは関係のないように思われるかもしれません。しかし,重症であるからこそどうしても身体面のケアが優先され,心理面のケアやQOL(生活の質)の保障が後回しになることがあります。だからこそ,私たち心理としても考えるべきところがあり,果たせる役割がないか,いろいろと模索しています。また,重症医療ケアの世界は,当事者とご家族だけでなく,医療・福祉・教育・産業の専門職が多職種協働で取り組まなければ成果を出せない世界です。その中でちょっとでもいい,関係者と思いを共有できるこのような場を経験することが学生たちを大きく育ててくれると期待して,活動を続けています。
当日のボッチャ大会の雰囲気がすこしでもわかるかなと,短いビデオクリップをアップしてみました。
☆石川県から参加の国立医王病院チーム OneFingers(筋ジストロフィー症の患者様たち←元選手の方もいる)との決勝で,「遠慮はいらん! 勝ちに行け!」と命じた学生たちが,あっさり逆転されたところ。
☆大会最終エンド。ついにOneFingersを本気にさせてしまいました。OneFingersの選手のみなさんの凄さをご覧ください。
☆こちらは,「死闘」を命じた(はずの)比治山A vs 比治山Bの試合の雰囲気がいきなり破壊されたところ。
miyasukuボッチャ大会の選手の多くはオンラインで参加します。また,会場に来る方も,多くは障害や難病をもつ方だったり,ご高齢者だったり,小さなお子様連れだったりするので,なかなか最後まで参加することはかないません。だからどうしても最後は人が減って静かになりがちなのですが,そんな中,閉会式が終わるまで楽しく賑やかに大会ができたのは,大会運営を担ったゼミ生たちがいたからにほかなりません。
「素敵な学生さんたちですね。みんな先生のゼミなんですか?」と,来場者からも大会関係者からもたくさんお褒めの言葉をいただきました。褒められて育つ吉田ゼミをご理解いただきありがとうございます!(^^)
「吉田ゼミの人たちってなんかいつも楽しそうですよね」と学内でもよく言われる。なんでかわからないけど,私自身もゼミ生たちと研究も実践活動も楽しんでる。どちらかといえば,ドキドキさんとか,ネガティブさんが多いんだけど,そんな人が普通ならもちやすい「壁」や「鎧」が,うちのゼミ生にはない。実は自分は緊張しぃなのに,なぜか相手や周りを緊張させることがない…そして,がんばる。これがうちの子たちのいいところだなと思う。
今回,ゼミ配属が決まったばかりの2年生も多く,前回のボッチャ大会を経験した学生は卒業して一人もいなかったのに,私自身,大学の授業では見られない彼らの姿に,前回の大会を盛り上げた学生たちと重なるデジャヴを感じて,さぁ今年は彼らと何をやろうか~と思いを新たにした一日でした。感謝!