ゼミ生が学会賞を受賞しました!

ゼミの大学院生の有吉紅葉さんが,昨年11月に行われた中国四国心理学会の大会優秀発表賞を受賞しました。下の写真は発表時の様子です。

優秀発表賞 – 中国四国心理学会 (hiroshima-u.ac.jp)

有吉さんの発表は同級生で卒業生の小谷和泉さん・若林有菜さんとの共同研究です。タイトルは「モグラたたき型ゲームを用いた実行機能の評価」。小谷さん・若林さんは高齢者を対象とした研究を計画していましたが,コロナ禍のために高齢者施設での研究ができなくなったので,将来的に使える課題をつくろうと私も一緒になってモグラたたきゲームを作りました。

当時は大学の登校禁止期間が続いていたので,小谷・若林研究ではゼミ内での予備実験程度の研究しかできなかったのですが,結果がおもしろかったので,大学院での有吉研究に引き継ぎました。今回の研究発表は,彼女の修論研究の小谷・若林研究の追試部分を共同研究として発表したものなのですが,モグラたたきゲームのような遊びであっても,条件を工夫することで「実行機能」という高次脳機能の評価が可能なことを示した点が評価されました。

実行機能は,私たちが日常生活において目標に向けて思考や行動を制御するのに用いている脳機能であり,発達障害児や認知症者の心理/社会行動上の問題や,さまざまな精神疾患との関連が注目されています。有吉研究は,ゲームを用いて実行機能を測定・評価できることを示していますので,今後,このようなゲームを繰り返して行う(遊ぶ)ことで,楽しみながら実行機能の訓練やリハビリテーションができる可能性が示唆されます。

うちのゼミ,小さな大学の小さな心理学研究室ですが,卒論・修論研究をネタにした発表で,この5年の間に3回目の学会賞受賞です。しかも今回は学生自身が受賞してくれたのでうれしい (^^)。

引き続き,ゼミの仲間たちと,楽しくて,おもしろくて,役に立つ研究を続けていきたいと思います。

 

ちなみにこちら(↓)が在学時の小谷さん&若林さん。