3月18日(金),大学のキャンパス内で卒業式(学位記授与式)が行われました。本来ならば広島平和記念公園内の国際会議場で行われる卒業式ですが,今年もコロナ禍の影響を受けて学位記授与式のみを学内で開催することになりました。晴れやかな舞台を用意してあげられなくてちょっと残念ではあったけど,そんなのカンケーなしと思えるくらいいつもの明るく元気で仲の良いゼミ生たちです。
前にも書いたけど,この人たち,コロナ禍の中でも,休暇中でも,何気にいつも実験室にやってきていました。彼らのために特別入構許可の申請を何回書いたことでしょう (^^;)。でも,彼らの姿を見て,これが大学生の本来の姿であって,こういう若者の日常を私たちは守ってあげなければならないと強く考えさせられました。また,もうひとつ前向きでチームワークの良い彼らの姿に学んだことがあって…それは,世の中のすべての職場がこんな風な雰囲気だったら,ずっと働きやすくて,ひとりひとりが能力を発揮できる社会になるんじゃないかということ。
障がいをもつ方たちと作業所をやっている友人に聞いた話があります。一日の仕事が終わって,みんなが帰り際に言う言葉は「じゃぁまた明日!」だそうです。働くことって何なのかを考えさせられるひと言です。
私たちがよく言う「お疲れさまでした」には「仕事=疲れること」という暗黙の意味が含まれているように感じます。「お先に失礼します」にも「つらいことから先に逃げ出すうしろめたさ」が含まれるように感じます。働くこととは,疲れること,つらいことなのでしょうか。
自分のゼミ生たちと,今日,この最後の日に,いつものように,「またおいで~」,「はい! また来ま~す!」と別れられることを,ちょっぴりうれしく,またじんわりと誇らしく感じた,この春の卒業の一日でした。