大学生の中にも,簡単な四則演算に意外と時間がかかる人たちがいらっしゃいます。どんな特性をもっているのか調べてみると,子どものときの指計算を今も(心の中で)続けている人が多いのです。
普通の人は,九九のかけ算などは丸暗記によって自動化しているから,2桁×2桁などの暗算も簡単なものならできるのだけど,このような簡単な四則演算が自動化していない人は,それにワーキングメモリ(一時的な心的作業のために使う能動的な記憶システム)の処理容量が取られるので,SPIの非言語問題のような数学的な問題を解くときに苦労します。
今回,ちょうど計算能力と数概念獲得の研究をしている大学院生がいるので,以前子どもの計算練習用に作って使っていたプログラムを新しく作りなおしてみました。
少しだけゲームっぽい課題にして,プログラムのコーナーに掲載しています。
計算練習プログラム | maruhi laboratory (maruhi-lab.com)
もし,使えるようであれば,どうぞダウンロードしてお使いください。記録を残せるので,九九で「7の段が苦手」というような特定の傾向を分析によって調べることができます。最終的には音声認識や文字認識で反応できるようにしたいのだけれど,まだいい方法が見つからないので,現状のままでの公開ですが…。
ちなみに,ホームページ上で動かしてみることのできるWeb版(体験版)もあります。
Unity WebGL Player | Keisan01 (maruhi-lab.com)
学生たちと一緒にやっていた子ども食堂や学習サポート活動も,残念ながら,コロナ禍のために1年以上にわたって中断している状態ですが,プログラムだけでも,ちょっとだけでも,世の中の役に立てれば幸いです。