卒業おめでとう

比治山大学にうちの学科(社会臨床心理学科)ができてから,ほとんどずっと私が広報を担当していたので,学科のブログに記事を書き続けていたのですが,私も広報担当から外れて,大学ホームページからも学科ブログがなくなってしまいました。でも,せっかくなので,こちらにちょこっと卒業式(学位記授与式)の風景を近況として紹介します。

新型コロナ感染症のため,今年も平和公園(広島国際会議場)での卒業式はなくなり,3月19日(金)に学内で学位記授与式が行われました。

旅立つ若者たちをお祝いするようにキャンパスでは桜の花も咲きはじめています。

学位記授与会場はソーシャルディスタンスを確保した大講義室。

私のゼミは,地域社会の中で,子どもからお年寄り,障害児から難病患者まで,いろんな方たちを相手に心理実験を応用した脳機能評価/リハをやったり,レクリエーションをしたり,さまざまな活動をするのが特徴なのですが,今年度は新型コロナ感染症のため,学生を同行させたゼミ活動は全面停止。ゼミ生たちには本当に物足りない思いをさせてしまったのではないかと思います。

たまに聞く…「心理の人って何か暗いよね」という言葉が嫌なので,心理学の難しい知識はちょっと脇に置いといて(卒論研究は結構難しいテーマをやりますが… ^^;),まずは,(大したことはできないかもしれないけど)地域の中のいろんな場所で,いろんな人々がとにかく笑顔になるような活動をしたいよね…なんて私たちは思っている。その中で実は学べることがたくさんあって,それは大学の講義室での退屈な授業では決して学べない。みんなそれを知っている。それが吉田ゼミ。私たちはリアルワールドを使ってアクティブラーニングを実践している…これってたぶん全国でも貴重な「教育-研究-社会貢献」を三位一体として具現化した実践事例だと自負している。

下は彼らが3年生のときの活動風景の一コマです。

今年度はゼミのやり方が大きく変わってしまって,私自身,ゼミの大切なアイデンティティをなくしてしまったように感じていたこともありましたが,他のゼミの学生さんに「吉田ゼミの人たちって,なんかいつ見ても楽しそうですよね~」と言われて気がつきました。そういえば,これって(褒めてるのかどうかはわかりませんが)毎年耳にする言葉なのです。私が見ても,うちのゼミ生たちって,いつも笑顔で,楽しそうに「仕事」をする。そんなうちの子どもたちの姿の中に,我が家のアイデンティティは脈々と生きているんだということを発見して,本当にうれしく思い,感謝したこの1年間でした。

障害者や難病患者,高齢者の方たちと接していると,不自由があるからこそ見えてくる大切なものがあることに気づかされます。たとえば,人間同士の「絆」がいかに大切なものかを一番知っているのも彼らでしょう。いろいろな方たちとお付き合いする中で,「満ち足りた生活=豊かな人生」とは決して言えないことを学生たちと学びました。

そして今年度,かつてない不自由な年を過ごす中で,私たち自身も自分たちにとってかけがえのない大切なものを見出したように思います。

ご卒業,おめでとう! 心からお祝い申し上げます。