LEARN Teachers Academy

東京大学先端科学技術研究センター 個別最適な学び寄付研究部門~LEARN Teachers Academy~に提供した吉田授業の補助教材ページです。

各プログラムはすでに条件設定を行っていますので,「スタート」ボタンを押して実行してください。終了したらブラウザのタブ(ウィンドウ)を閉じてください

 

認知心理学の実験の例

認知心理学では,私たち人間の認知機能(脳機能)を調べるためのさまざまな実験研究が行われます。私の研究では,そのような実験課題を,一般の方も体験していただけるようにコンピュータプログラムにして公開しています。

短期記憶(ワーキングメモリ)の容量限界を体験する

  • 数唱範囲課題(順唱)
    • 画面に出てくる数字を覚えて答えます(3回連続で間違うと終了します)。
    • 数字の短期記憶は7±2の容量限界があることが知られています。あなたは何桁までいけましたか?

ワーキングメモリの中で作業を行う

  • 数唱範囲課題(逆唱)
    • 画面に出てくる数字を覚え,順序を逆に入れ替えて回答します(3回連続で間違うと終了します)。
    • 情報保持のスペースと作業スペースの間にはトレードオフの関係があるので,順番の入れ替えという作業をする分,記憶容量が制限されます。

長期記憶の特性を体験する

  • 拡張数唱範囲課題
    • 数唱範囲課題の順唱と同じ課題ですが,毎回同じ数列が提示されます(正解すると最後に新しい数字が1桁増えていきます)。
    • 単純くり返しによって形成される長期記憶を使って,何桁まで覚えられるか体験してみてください(3回連続で間違うと終了します)。

 

トレイルメイキングテスト

脳損傷の影響を調べる神経心理学的検査のひとつである「トレイルメイキングテスト」をゲーム課題にしたものです。

トレイルメイキングテスト(Part A)

    • 画面に出てくる1~25までの数字をできるだけ速く順番に線で結んでいきます(1をクリックすると始まります)。
    • 視覚探索,処理速度,注意の持続などが要求される課題です。

トレイルメイキングテスト(Part B)

    • 画面に出てくる数字(1~13)と文字(あ~し)を交互に選びながら順番に線で結びます。
    • パートAに要求される能力に加えて,ワーキングメモリや,認知的柔軟性・切り替え・抑制などの実行機能が要求される課題です。

 

もぐらたたきゲームを使った実験

私たちの認知機能の特性(認知リソースと実行機能)について「遊び」を通して体験できるようにしたものです。

ターゲット:1種類(ねずみ)

認知的な負荷の低い条件です。

ターゲット:3種類(ねずみ・うし・とら)

ターゲットの種類を増やして記憶負荷をかけます。記憶システム(ワーキングメモリ)は注意のシステムと実行機能を共有しているため,注意のコントロールが難しくなります。また,ネガティブ試行では抑制が困難になります。