東京大学先端科学技術研究センター 個別最適な学び研究~LEARN Teachers Academy~に提供した授業の補助教材ページです。
私の研究室では,認知機能(脳機能)を測定・評価する認知心理学実験や神経心理学的検査をコンピュータ・プログラムに実装する研究を行っています。研究では,ゲーミフィケーションによって(ゲームのように遊べる課題として実装することで)対象者のやる気を引き出しながら認知機能の評価を可能にしたり,楽しいから繰り返して行うことによって訓練やリハビリ効果を引き出せないかと期待しています。
今回の授業の教材プログラムは,それぞれすでに条件設定を済ませていますので,「スタート」ボタンを押して実行するだけです(終了したらブラウザのタブ(ウィンドウ)を閉じてください)。プログラムはクライアント側(お使いのPC上)で実行されるだけで,データの収集などは一切行っていませんので,気楽に遊んでいただければ幸いです。
- プログラムを最新版に入れ替えました。スマートフォンでも画面切れが生じにくいと思います。(2025/9/14)
神経心理学的検査を体験(トレイルメイキングテスト)
脳損傷の影響を調べる神経心理学的検査のひとつである「トレイルメイキングテスト」をゲーム的な課題にしたものです。
トレイルメイキングテスト(Part A)
- 画面に出てくる1~25までの数字をできるだけ速く順番に線で結んでいきます(1をクリックすると始まります)。
- 視覚探索,処理速度,注意の持続などが要求される課題です。
トレイルメイキングテスト(Part B)
- 画面に出てくる数字(1~13)と文字(あ~し)を交互に選びながら順番に線で結びます。
- パートAに要求される能力に加えて,ワーキングメモリや,認知的柔軟性・切り替え・抑制などの実行機能が要求される課題です。
記憶の特性を体験(数唱範囲課題)
数字列を提示して,それを記憶・再生することで記憶容量(memory span,記憶範囲)を調べる課題です。

短期記憶(ワーキングメモリ)の容量限界を体験する
- 数唱範囲課題(順唱)
- 画面に出てくる数字を覚えて答えます(3回連続で間違うと終了します)。
- 数字の短期記憶は7±2の容量限界があることが知られています。あなたは何桁までいけましたか?
ワーキングメモリの中で作業を行う
- 数唱範囲課題(逆唱)
- 画面に出てくる数字を覚え,順序を逆に入れ替えて回答します(3回連続で間違うと終了します)。
- 情報保持のスペースと作業スペースの間にはトレードオフの関係があるので,順番の入れ替えという作業をする分,記憶容量が制限されます。
長期記憶の特性を体験する
- 拡張数唱範囲課題
- 数唱範囲課題の順唱と同じ課題ですが,毎試行で同じ数列が繰り返して提示されます(正解すると最後に新しい数字が1桁増えていきます)。
- 単純くり返しによって形成される長期記憶を使って,何桁まで覚えられるか体験してみてください(3回連続で間違うと終了します)。
- 延々と続いて終了しない方もいらっしゃるので,私たちの実験では40試行を上限として測定しています(きりがない場合は途中で終了させてください。ESCキーを押すとメニューに戻ります)。
- メニュー画面の「Random Seed」に入力する数値を変えると数列が変わります。
もぐらたたきゲームで実行機能を体験
認知リソースと実行機能の特性について,もぐらたたき型の「遊び」を通して体験できるようにしたものです。30秒の間に何匹の動物たちを叩いて捕まえることができるか挑戦してみてください。
ターゲット:1種類(ねずみ)
認知的な負荷の低い条件です。
- ポジティブ試行(T1_pos)
- 動物の中から「ねずみ」を探してたたきます。
- ネガティブ試行(T1_neg)
- 「ねずみ」以外の動物をすべてたたきます。
ターゲット:3種類(ねずみ・うし・とら)
ターゲットの種類を増やして記憶負荷をかけます。記憶システム(ワーキングメモリ)は注意のシステムと実行機能を共有しているため,注意のコントロールが難しくなります。また,ネガティブ試行では抑制が困難になるのが体験できます。
- ポジティブ試行(T3_pos)
- 動物の中から「ねずみ」「うし」「とら」を探してたたきます。
- ネガティブ試行(T3_neg)
- 「ねずみ」「うし」「とら」以外の動物をすべてたたきます。





