はじめに
このページは,比治山大学(@広島)社会臨床心理学科の吉田ゼミ(実験心理学,知覚・認知心理学)がつくっています(監修:吉田弘司)。
ワーキングメモリや実行機能に関する認知心理学の知見を活かして,集中力を高めるための脳機能の測定やトレーニングができるページにしたいと考えています。
(開発中ですがゲームは遊べます!)
普段の生活でこんなことないですか?
- 集中できない…
- やる気がおきない…
- うっかりミスや物忘れが増えてきた…
- 何ごともどっちつかずで中途半端…
- くよくよしてしまう…
- 仕事がたくさんあると手に負えなくなる…
- 先が見通せず希望がもてない…
- つい…キレる!
これらは脳の実行機能(遂行機能)の低下によるものかもしれません。
ワーキングメモリと実行機能
ワーキングメモリとは…
ワーキングメモリとは,数字の並びなど意味のないものでも短時間覚えておける短期記憶を発展させた概念であり,短期の情報貯蔵と合わせて,その情報を操作する過程を含む記憶システムです。日本語では作業記憶あるいは作動記憶と訳されます。ワーキングメモリは,人が何か目標をもった行動をするときに,課題遂行に必要な情報を活性化した状態で一時的に保持する機能をもつことから,日常生活における人の心理的活動を支えているとても重要な記憶システムとして注目されています。
実行機能とは…
実行機能は,ワーキングメモリの認知的制御や注意的制御を担うシステムであると同時に,私たちが課題目標にあわせて思考や行動を意識的に管理・統制するシステムでもあります。実行機能は,非習慣的な状況における意図的行動の制御に重要な役割をもちます。これがうまく機能しないと,私たちはいつもと違う複雑な状況に対応できなくなってしまいます。
実行機能には以下の3つの下位機能があることが知られています。
優勢反応の抑制
思わずやってしまいそうになる行動を回避・抑制することです。これがうまく機能しないと,気づいたら課題と関係のないことをやってしまっているというような状況が発生します。
記憶の更新
不要な情報をワーキングメモリから消去したり,記憶情報を更新する働きです。これがうまく機能しないと,物忘れやうっかりミス,家の施錠や火の始末などをやったかどうか覚えていないというような状況が発生します。
認知セットの切り替え
複数の課題ルールや反応セットを柔軟に切り替える働きです。これがうまく機能しないと,私たちは同時に複数の仕事を要求されると処理できないことになります。
遊びを通した実行機能の評価と訓練
記憶能力を鍛えたり脳を訓練するというと大変そうですが,このサイトでは簡単なゲームを使って,遊びながらワーキングメモリや実行機能(行動や思考の抑制,情報の更新,課題の切り替え)を中心とした脳機能の特性を評価したり,訓練する方法を紹介します! それを通して,私たちの脳の認知機能を体験的に理解したり,その特性を通して日常生活の過ごし方のヒントをご紹介したいと考えています。
道場入り口
道場のプログラムはゲーム開発環境であるUnityのWebGL機能を使って作っているので,スマートフォンなどのモバイル端末での動作が保証されていません。ゼミで試したところ,画面がうまく表示できない場合は,画面を回転させて横長画面で使ったり,ゲーム画面で「PC版サイト」を指定すると遊べることが多いようです(パソコンではマウスでも遊べますが,快適に遊ぶにはタッチ機能つきのパソコンがおすすめです)。
ワーキングメモリと実行機能の関係を体験
ここでは,簡単なモグラたたき型ゲームを使って,ワーキングメモリにちょっとした負荷がかかると,実行機能の働きである注意の切り替えや反応の抑制が困難になることを体験してもらいます。
道場にご入場(←これをクリック!)
解説ページ
解説ページへ(準備中)
その他
ワーキングメモリに関するいろいろな体験プログラムをホームページ上で動かせるようにして,こちらに掲載する予定です。
数唱範囲課題(digit span task)
ワーキングメモリという概念ができる以前から使われてきた短期記憶容量を測定するための古典的課題です。2021年度の3年生のゼミで作ってみました。画面に出る数字を覚えて,同じ順番で再生する条件(順唱課題)と,逆の順番で再生する条件(逆唱課題)を体験できます。正順に比べて逆順に再生するには頭の中で数字を入れ替えなければなりません。その作業のためにワーキングメモリが使われるので(特に実行機能),記憶容量が減少するのを体験することができます。単純ですがいい脳トレになります (^^)。
数唱範囲課題(digit span task)(←これをクリック!)